ストックビジネスとは、どのようなビジネスを指すのかご存知でしょうか?
ストックビジネスとは、何らかのサービスでコツコツと稼ぐビジネスのことです。売り切っておしまいのフロービジネスとは対極をなすビジネスです。
そのため「モノを作って売るビジネス」に取り組まれている方の中にはストックビジネスという用語を知らない方も結構多いのではないでしょうか。
この「モノを作って売るビジネス(商品を企画して製造販売するビジネス)」はフロービジネスと呼ばれ、今まで多くの日本の製造業が成長してきたビジネスのやり方です。
フロービジネスは、うまくいくと大きく儲けることができるため日本の製造業の多くの企業は戦後の高度成長期にこのビジネスで大きく成長してきました。当時は企業でも個人商店でもお店に並べれば何でも売れると言われるぐらい追い風の時代でしたので、今まで時代に合わせてフロービジネスに軸足を置いてきたのは当然であり間違ったことではなかったと思います。
このブログでは多くの製造業が行ってきた「モノを作って売って儲ける」フロービジネスと、「サービスでコツコツと収益を積みあげる」ストックビジネスのどちらが良いかを説明しようとしているのではありません。作れば必ずしも売れるとは限らない昨今の状況において、フロービジネスだけでなくストックビジネスについても知っておくことはビジネスを考える上で大変重要なポイントになります。
最近、ストックビジネスと同じ分野で「サブスクリプション」とか「サブスク」という言葉をよく耳にします。これらは、直訳の「雑誌などの定期購読」のように、一定期間にモノやサービスを受け取る(提供する)約束をして、その期間分の代金を支払う(受け取る)ビジネスです(どちらかと言うと支払い方式を指しています)。
受け取るモノやサービスは雑誌・書籍に限らず、食材・食品、衣服、映画、シェアカー、住まいなど様々なものにまで拡がっています。
モノやサービスの提供側から見ると、「サブスク」というお金の受け取り方法だけを工夫した新ビジネスを展開しても、提供価値が不十分だとそもそも顧客に契約してもらえませんので、やはりまず、どのような顧客にどういった価値を提供するのかを明確にすることが重要です。
みなさんが考えている新しい事業や商品のアイデアを今一度確認し、モノの売り切りだけではなくストックビジネスすなわちサービスを含めた視点からも検討し、独自の工夫を入れる余地がないかを考えてみてはいかがでしょうか。