「ビジネスモデルがわかる」(日経文庫)を読んでみた

ビジネスモデル、井上達彦、ピクト図解、板橋悟ビジネスセンス

「ゼロからつくるビジネスモデル」の著者 井上達彦氏が「ビジネスモデルがわかる」という新刊を発行されました(2021年4月, 日経文庫)。

手に取りやすく、パラパラめくってみると図表が多くて読みやすそうというのが第一印象です。

執筆者(井上達彦氏)のあとがきに「研究室の大学院生や学部ゼミ生たちには、編集や情報収集・作図を手伝ってもらいました」とあります。分担執筆している他の書籍の中には、章ごとに文体が異なっていたり、内容の粒度(大雑把だったり細かかったり)がバラバラだったりするのを見かけるのですが、この本は章ごとのちぐはぐ感が無く、全体を通じて一貫した内容となっています。

内容の構成ですが、最初の3分の1はビジネスモデルのつくり方に関して3つのアプローチについての解説。それ以降はパラダイムシフトに関して5つの章に分けてボリュームたっぷりに解説されています。解説の各所では異なる考えと比較(場合によっては長所と短所を比較)することにより大事なポイントをわかりやすく深く学べるようになっています。

また、この本はビジネスモデルに関するキーワードが幅広く多数掲載されています。人名だけとっても「リーン・ブランク」「ジョアン・マグレッタ」「マーク・ジョンソン」「アレックス・オスターワルダー」「スティーブ・ジョブズ」「ヘンリー・チェスブロウ」「マイケル・A・クスマノ」「マイケル・E・ポーター」「クリス・アンダーソン」などなど参考文献とともに多数出てきます。

もうひとつ特記することとして、ピクト図解が多用されていることです。ビジネスモデルの表現としては色々なものがあると思いますが、この書籍ではピクト図解に統一しており、ビジュアルでわかりやすいものとなっています。しかもピクト図解の考案者である板橋悟氏がこの本に掲載されているピクト図解を監修されたとのことで、鬼に金棒と言えるでしょう。

この分野を初めて学びたい人から、頭の整理をしたい専門家の方までお勧めできる書籍です。

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